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久保摩耶子:おもいがけず

「The Lontano=遠い二重奏」で演奏する作品を解説しようと思います。

続いては後半の1曲目、久保摩耶子の作品。


久保摩耶子:おもいがけず

ベルリン在住の作曲家久保摩耶子は、大阪音楽大学ピアノ科を卒業後、1972年に渡欧してウィーン国立音楽大学、ハノーファー州立音楽大学で学んだ。1985年からベルリンに拠点を移してヨーロッパ中心に作曲活動を行い、器楽曲からオペラまで様々な作品を発表している。

1979年にブールジュ電子音楽国際作曲コンクールで入賞して作曲家デビュー、ダルムシュタット夏季現代音楽講習会やドナウエッシンゲン現代音楽祭でも作品が演奏される世界的作曲家である。本日演奏する「おもいがけず」は2011年に作曲された4手のための連弾曲である。作曲家本人から寄せられた作品解説を以下に掲載する。

<人生でも作曲の途中でも突然予期しない事が起こります。それを適切に処置する事がどの場合でも重要な課題となります。大抵は途方にくれますが、ときたまその「おもいがけないこと」をエンジョイする事もあります。このピアノ連弾曲では用意されたモチーフが思いがけなく、他のモチーフに出合い-ここでは阿波踊りのメロディーとリズム-どんどん(作曲の意図と異なった)おもいがけない方向に進んで行きます。作曲家の意識下では早くもとの軌道に戻さなければとあせります。しかし阿波踊りの要素とそれまでのモチーフが混ざり合って新しい核が生じてきます。どのように発展させるべきなのかと再度考えます。これは人生の中で予期しない事が起こり、立ち止まったり、振り回されたりするのに似ています。この曲では思いがけなく現れた阿波踊りのモチーフがいかに融合され、消化され。そののち新しいシンテーゼが形成される過程を描いています。>

プロフィール

Noritaka ITO

Author:Noritaka ITO
伊藤憲孝(いとうのりたか)‐ピアノ

1978年生まれ。オランダ・アムステルダム、ドイツ・ベルリンで研鑽を積み、イタリアで行なわれた第18回“チタ・ディ・ヴァレンチノ”国際コンクールで第1位を受賞。日本国内主要都市をはじめ、アメリカ合衆国、ドイツ、オランダ、オーストリア、スロヴァキア、イタリア、セルビア、マレーシア、韓国など世界各国で演奏を行なっている。その演奏は、The New York Times(アメリカ合衆国)をはじめ、Die Neue Zeitschrift für Musik(ドイツ)、Rundfunk Berlin-Brandenburg(ドイツ)などで取り上げられている。スロヴァキア国立歌劇場管弦楽団をはじめ国内外のオーケストラとの共演。室内楽奏者として、NHK交響楽団、サイトウ・キネン・オーケストラ、名古屋フィルハーモニー交響楽団、大阪交響楽団、広島交響楽団、ブレーメン・フィルハーモニー管弦楽団、香港シンフォニエッタ、マレーシア国立交響楽団各奏者との共演など、活発に活動を行なっている。
 
録音は、国内でディスク・クラシカよりCD <Beethoven, Activated>と<ベートーヴェン/リスト:交響曲第7番他>をリリース。ヨーロッパにおいては、ベルリンのKreuzberg Recordより世界初録音の4曲を収録したTrio kuのCDアルバムがリリースされている。
また、iNos Recordsよりインターネット配信限定となる<ムソルグスキー:展覧会の絵>、<ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番>がiTunes、AmazonMP3などを通して世界111ヶ国の国と地域にリリースされている。
 
現在、福山平成大学准教授、エリザベト音楽大学大学院非常勤講師をつとめると同時に、マレーシアのSEGi College universityでのマスタークラス、トーキョーワンダーサイトでのワークショップなど、各地で後進の指導を行っている。

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