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言葉×音楽

音楽は言葉からどんな影響を受けるのだろうか、言葉は音楽からどんな影響を受けるのだろうか。
そんなことに、ここ数年興味を持っています。

どちらも思考や感情が基にあって、そこから生まれてくるものですが、その2つがどんな風に影響をしあうのかを、感じながら演奏するコンサートが今週末にあります。




プーランクの「象のババール」と、シューマンの「子供の情景」に西條八十の詞を組み合わせて演奏します。


まずはババールで幕を開けるのですが、これが可愛くて切ない作品なんですよ。
ブリュノフの原作を読んでいた甥たちをみて、プーランクは作曲を始めたのですが、当時は第二次大戦中。困難な状況だからこそなのでしょうか、前向きな気持ちになり、そしてホロリと涙が溢れるような美しい音楽がつけられています。
演奏は朗読とピアノで行うのですが、ピアノパートはぶっちゃけ結構難しいです。

プーランクの指示するテンポは曲によっては強烈に速く、演奏不可能じゃないのかと思わせられるところもあるんです。なので他の作品でもそうなんですが、当初は僕は少しゆっくり目に弾いていたんですね。ところがプーランク本人が弾いている録音が残っているのですが、オーボエ・バスーン・ピアノでのトリオの録音を聴いて、やはり本人はこのテンポを望んでいるのだなと強く確信しました。
快速とも思えるテンポだからこそ、フワリと浮き上がるプーランク独特の洒落た雰囲気や、感覚的感情的なものがあると思いましたね。
音楽はもちろんテンポだけに依存するものではないですが、この辺りを意識してプーランクの音楽に迫りたいと思っています。


後半は、西條八十の詞を十三篇選んだものを、子供の情景と組み合わせて演奏します。八十の詞にはそれぞれ題名がついています、そしてシューマンも同じく題名のつけられた小さな作品から成っています。この二つは必ずしも、一致していないんです。一致していないのに、どこか情景がぼんやりと浮かび上がるんですよね。この辺りに、言葉×音楽の不思議な相乗効果があるのではないかと、その感覚を楽しみながら演奏したいと思います。


アンコールには詩人の豊田和司さんの「樹」という作品と倉石満さんの写真を組み合わせたものを朗読し、それに僕が即興で音楽をつけて演奏します。

こちらは即興ですからね、リハーサルなしで出たとこ勝負で存分に楽しませて頂こうと思っています。



会場は既に完売御礼とか。

皆様と素敵な昼下がりを過ごせることを楽しみにしています!

プロフィール

Noritaka ITO

Author:Noritaka ITO
伊藤憲孝(いとうのりたか)‐ピアノ

1978年生まれ。オランダ・アムステルダム、ドイツ・ベルリンで研鑽を積み、イタリアで行なわれた第18回“チタ・ディ・ヴァレンチノ”国際コンクールで第1位を受賞。日本国内主要都市をはじめ、アメリカ合衆国、ドイツ、オランダ、オーストリア、スロヴァキア、イタリア、セルビア、マレーシア、韓国など世界各国で演奏を行なっている。その演奏は、The New York Times(アメリカ合衆国)をはじめ、Die Neue Zeitschrift für Musik(ドイツ)、Rundfunk Berlin-Brandenburg(ドイツ)などで取り上げられている。スロヴァキア国立歌劇場管弦楽団をはじめ国内外のオーケストラとの共演。室内楽奏者として、NHK交響楽団、サイトウ・キネン・オーケストラ、名古屋フィルハーモニー交響楽団、大阪交響楽団、広島交響楽団、ブレーメン・フィルハーモニー管弦楽団、香港シンフォニエッタ、マレーシア国立交響楽団各奏者との共演など、活発に活動を行なっている。
 
録音は、国内でディスク・クラシカよりCD <Beethoven, Activated>と<ベートーヴェン/リスト:交響曲第7番他>をリリース。ヨーロッパにおいては、ベルリンのKreuzberg Recordより世界初録音の4曲を収録したTrio kuのCDアルバムがリリースされている。
また、iNos Recordsよりインターネット配信限定となる<ムソルグスキー:展覧会の絵>、<ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番>がiTunes、AmazonMP3などを通して世界111ヶ国の国と地域にリリースされている。
 
現在、福山平成大学准教授、エリザベト音楽大学大学院非常勤講師をつとめると同時に、マレーシアのSEGi College universityでのマスタークラス、トーキョーワンダーサイトでのワークショップなど、各地で後進の指導を行っている。

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