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音楽録:マキシム・ヴェンゲーロフ ヴァイオリン・リサイタル


雨の降りしきるなか、マキシム・ヴェンゲーロフのリサイタルを聴きに、サントリーホールへと足を伸ばしました。

今回のリサイタルは、彼のフェスティバルの一環として開催されたもので、ピアノのイタマール・ゴランとの共演です。


ヴェンゲーロフを生で聴くのは、今回が初めて。高校生の頃に、彼がアバド指揮のベルリン・フィルといれたチャイコフスキーの録音を聴きまくっていたので、生での演奏を聴けることを、心待ちにしていました。一時期、肩を壊して引退を宣言していただけに、どうなのかなあと思っていましたが、その心配は杞憂に終わりましたね。




演奏者を後ろから眺めるP席で聴きましたが、やはりサントリーホールの音響は素晴らしいですね。
僕がベルリンで教わっていたミハエル・エンドレスが、同じようなワインヤード型のベルリン・フィルハーモニーホールよりもサントリーホールの方が、数段音響がいいと言っていたことを思い出しました。

天井を眺めると、シャンデリアと共に反響盤が設置してありますが、シンプルそのもの。フィルハーモニーホールはもっと複雑な形に配置され、音を跳ね返しているんですね、こんなところからも、サントリーホールの素直な嫌みのない響きの由縁が感じられます。





プログラムは前半はガッツリとソナタを、後半は名人芸を要求される小品を並べたもので、以下のようなものでした。



前半はエルガーとプロコフィエフのソナタです。エルガーは初めて聴いた作品でしたが、少し冗長に感じちゃいました。
プロコフィエフのソナタ第1番は、僕にとって懐かしい作品。というのも、ベルリンでの室内楽の卒業試験のプログラムに入れていた作品の一つだからです。
ヴェンゲーロフは本当に見事でしたね、まるでダイヤモンドダストが舞い散るような高音から、凄みのある硬質で深い音色まで自由自在で、このプロコフィエフの躍動するソナタを聴かせてくれました。


後半は、ヴェンゲーロフ自身がマイクを持ち、「おはようございます」との日本語の挨拶で始まりました。アンコールをテーマに集めたという名曲の数々を、素晴らしい説得力を持って演奏してくれました。
なかでも白眉はパガニーニのカプリスとイザイのソナタ。この2つの無伴奏作品を、イマジネーションに満ちた音楽と、完璧な技巧で聴かせてくれました。

トークでは彼のざっくばらんな性格が垣間見えて、お客さんも喜ばれたのではないでしょうか。
とはいえ欲を言えば、トークなしで小品の数々を畳み掛けるように聞かせてもらいたいなあとも思いましたが、この辺りは好みの差でしょうか。



開演2時で終演が5時前という、3時間近くにのぼるお腹一杯の演奏会でしたが、またヴェンゲーロフを聴きたい!と思わせてくれる素晴らしい一時でした。




プロフィール

Noritaka ITO

Author:Noritaka ITO
伊藤憲孝(いとうのりたか)‐ピアノ

1978年生まれ。オランダ・アムステルダム、ドイツ・ベルリンで研鑽を積み、イタリアで行なわれた第18回“チタ・ディ・ヴァレンチノ”国際コンクールで第1位を受賞。日本国内主要都市をはじめ、アメリカ合衆国、ドイツ、オランダ、オーストリア、スロヴァキア、イタリア、セルビア、マレーシア、韓国など世界各国で演奏を行なっている。その演奏は、The New York Times(アメリカ合衆国)をはじめ、Die Neue Zeitschrift für Musik(ドイツ)、Rundfunk Berlin-Brandenburg(ドイツ)などで取り上げられている。スロヴァキア国立歌劇場管弦楽団をはじめ国内外のオーケストラとの共演。室内楽奏者として、NHK交響楽団、サイトウ・キネン・オーケストラ、名古屋フィルハーモニー交響楽団、大阪交響楽団、広島交響楽団、ブレーメン・フィルハーモニー管弦楽団、香港シンフォニエッタ、マレーシア国立交響楽団各奏者との共演など、活発に活動を行なっている。
 
録音は、国内でディスク・クラシカよりCD <Beethoven, Activated>と<ベートーヴェン/リスト:交響曲第7番他>をリリース。ヨーロッパにおいては、ベルリンのKreuzberg Recordより世界初録音の4曲を収録したTrio kuのCDアルバムがリリースされている。
また、iNos Recordsよりインターネット配信限定となる<ムソルグスキー:展覧会の絵>、<ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番>がiTunes、AmazonMP3などを通して世界111ヶ国の国と地域にリリースされている。
 
現在、福山平成大学准教授、エリザベト音楽大学大学院非常勤講師をつとめると同時に、マレーシアのSEGi College universityでのマスタークラス、トーキョーワンダーサイトでのワークショップなど、各地で後進の指導を行っている。

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