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五嶋龍×スラットキン+リヨン管を聴く




車を走らせ、岩国へ。シンフォニア岩国でのフランス国立リヨン管弦楽団の演奏会を聴きに来ました。


指揮は'11年に音楽監督に就任したスラットキン、ソリストには五嶋龍という布陣で以下のプログラムが演奏されました。


バーンスタイン:「キャーディード」序曲
ラロ:スペイン交響曲op.21
(ヴァイオリン:五嶋龍)
ベルリオーズ:幻想交響曲op.14


このオーケストラを聴くのは多分2度目で、前回もここでの演奏会で当時の音楽監督であったクリヴィヌの指揮での演奏会だったと記憶しています。随分と前のことで、どんなプログラムだったかは殆ど覚えていないのですが、最後に演奏されたラヴェルのボレロで大興奮したこと、そしてこれぞフランスの音!という透明感のある軽い音色が印象的でした。





さて、前半のまずはバーンスタイン。
やはりこのボールは少し残響が多く、楽器のブレンドがわちゃわちゃしてしまう感がありますね。天井が高すぎるのかな…。
とはいえ、迫力ある金管からのオープニングは、聴衆の心を掴むに充分。スラットキンの明確な指揮ぶりでキビキビとしたリズム感が小気味良く、思わず体を揺らしたくなる楽しい雰囲気に満ちた演奏でした。

オーケストラの音は、数年前の朧気な記憶に比べて随分と厚みが増して、特に弦楽器の密度が高い音色に好感を持ちました。それでいて、以前からの美点である透明感と色彩感も豊かで、素晴らしいマエストロだと思いましたね。


二曲目は五嶋龍登場でのラロ。生で聴くのは初めてなのですが、どうもオーケストラが時々面白ないなあという印象でした。
五嶋のヴァイオリンは序盤の楽章は、スポーティーにゴリゴリと名人芸を披露し、固い音色で退屈してしまったのですが、楽章が進むにつれ柔らかな美しい伸びやかな音色に変わり、特に終楽章は絶品でしたね。




後半の幻想交響曲も素晴らしかったです。耳タコのこの作品ですが、様々な発見がありました。スラットキンは一つ一つのフレーズや和声、アクセントなどを丁寧に表現し意味付けをしていて、この作品の持つ力が存分に伝わってくるものでした。2楽章の自然に流れる長いフレーズなど、ゆったりと身を任せることができ、心地よかったです。
ただ欲を言えば、最終楽章に向かうにつれ、狂気が吹き荒れても良いんではないかと思いましたね。まあ、この辺りは僕の好みでしょうが。

プロフィール

Noritaka ITO

Author:Noritaka ITO
伊藤憲孝(いとうのりたか)‐ピアノ

1978年生まれ。オランダ・アムステルダム、ドイツ・ベルリンで研鑽を積み、イタリアで行なわれた第18回“チタ・ディ・ヴァレンチノ”国際コンクールで第1位を受賞。日本国内主要都市をはじめ、アメリカ合衆国、ドイツ、オランダ、オーストリア、スロヴァキア、イタリア、セルビア、マレーシア、韓国など世界各国で演奏を行なっている。その演奏は、The New York Times(アメリカ合衆国)をはじめ、Die Neue Zeitschrift für Musik(ドイツ)、Rundfunk Berlin-Brandenburg(ドイツ)などで取り上げられている。スロヴァキア国立歌劇場管弦楽団をはじめ国内外のオーケストラとの共演。室内楽奏者として、NHK交響楽団、サイトウ・キネン・オーケストラ、名古屋フィルハーモニー交響楽団、大阪交響楽団、広島交響楽団、ブレーメン・フィルハーモニー管弦楽団、香港シンフォニエッタ、マレーシア国立交響楽団各奏者との共演など、活発に活動を行なっている。
 
録音は、国内でディスク・クラシカよりCD <Beethoven, Activated>と<ベートーヴェン/リスト:交響曲第7番他>をリリース。ヨーロッパにおいては、ベルリンのKreuzberg Recordより世界初録音の4曲を収録したTrio kuのCDアルバムがリリースされている。
また、iNos Recordsよりインターネット配信限定となる<ムソルグスキー:展覧会の絵>、<ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番>がiTunes、AmazonMP3などを通して世界111ヶ国の国と地域にリリースされている。
 
現在、福山平成大学准教授、エリザベト音楽大学大学院非常勤講師をつとめると同時に、マレーシアのSEGi College universityでのマスタークラス、トーキョーワンダーサイトでのワークショップなど、各地で後進の指導を行っている。

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