磯江毅展@広島県立美術館
- 2015/04/10
- 17:39
圧倒的なリアリティー、写実のもつ力にただただ心震えました。
広島県立美術館で行われている『磯江毅展』に行って来ました。
磯江さんはスペインで長く活躍し、広島市立大学教授として後進の指導にあたっていたとのこと、こんな素晴らしい画家がこの街を拠点としていたとは知りませんでした。
これほど写実の持つ力を実感する作品を観たのは初めてですね。思わず手を伸ばして触れてみたくなるかのような作品からは、「対象を自分が表現するのではなく、対象の持つ力を引き出す。」という磯江の言葉にピタリと密着する説得力のあるものでした。
そのものをありのままに書くことが写実なのではなく、対象が人の目にどう映りどう印象を与えるかを書くことで始めて写実として成立する、ということ。まるで対象物が語りかけているように感じました。
これは演奏するという行為と全く同じだと思いましたね。
譜面通りに弾くから譜面通りに聴こえるわけではない、作品の持つ本質に斬り込むことでこそ、作品が語り始める……
かくありたいものだと思いました。
感激とともに皆さんに推薦する素晴らしい展覧会でした。