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ニューヨークから届いたカデンツァ



今月の23日にモーツァルトの最後のピアノ協奏曲となる第27番を弾くのですが、作曲家自身によるカデンツァが第1楽章に1つ、第3楽章に2つ残されています。ところが、どういうわけか第3楽章に小さなカデンツァが入るであろうと思われるところ1ヶ所には、残されていないんですね。ベーレンライター版でも、ここに即興的な走句を入れて弾いていたであろう……との注釈がついています。



当初は自分で書いてみようと思い、色々と試行錯誤しましたが、ダメだ~。

ほんと、ダサい……

僕には、どうやら作曲家としての才能は無さそうです……



というわけで、すっぱりと自作はあきらめて、この箇所の美しい転調を引き立ててくれる作風の作曲家は……と思い起こすと、いましたいましたよ、ニューヨークに。


中堀海都くん。彼の音楽の持つたおやかな音色、それでいて研ぎすさまれた美意識がとても好きです。

海を越えてメールでメッセージを送ると、快諾してくれて、昨日素晴らしいカデンツァが届きました。


モーツァルト自身のカデンツァとは違えど、あくまでコンチェルトを引き立ててくれる、それでいてしっかりカイト・ワールドも感じるんですね。特に最後のトリルを使っての和声が憎い!!ハ短調のドミナントを想わせながら、原曲の変ホ長調への転調には、思わずゾクリとしました!



素晴らしいカデンツァを付け加えて、モーツァルトを演奏できることが今から楽しみです!


プロフィール

Noritaka ITO

Author:Noritaka ITO
伊藤憲孝(いとうのりたか)‐ピアノ

1978年生まれ。オランダ・アムステルダム、ドイツ・ベルリンで研鑽を積み、イタリアで行なわれた第18回“チタ・ディ・ヴァレンチノ”国際コンクールで第1位を受賞。日本国内主要都市をはじめ、アメリカ合衆国、ドイツ、オランダ、オーストリア、スロヴァキア、イタリア、セルビア、マレーシア、韓国など世界各国で演奏を行なっている。その演奏は、The New York Times(アメリカ合衆国)をはじめ、Die Neue Zeitschrift für Musik(ドイツ)、Rundfunk Berlin-Brandenburg(ドイツ)などで取り上げられている。スロヴァキア国立歌劇場管弦楽団をはじめ国内外のオーケストラとの共演。室内楽奏者として、NHK交響楽団、サイトウ・キネン・オーケストラ、名古屋フィルハーモニー交響楽団、大阪交響楽団、広島交響楽団、ブレーメン・フィルハーモニー管弦楽団、香港シンフォニエッタ、マレーシア国立交響楽団各奏者との共演など、活発に活動を行なっている。
 
録音は、国内でディスク・クラシカよりCD <Beethoven, Activated>と<ベートーヴェン/リスト:交響曲第7番他>をリリース。ヨーロッパにおいては、ベルリンのKreuzberg Recordより世界初録音の4曲を収録したTrio kuのCDアルバムがリリースされている。
また、iNos Recordsよりインターネット配信限定となる<ムソルグスキー:展覧会の絵>、<ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番>がiTunes、AmazonMP3などを通して世界111ヶ国の国と地域にリリースされている。
 
現在、福山平成大学准教授、エリザベト音楽大学大学院非常勤講師をつとめると同時に、マレーシアのSEGi College universityでのマスタークラス、トーキョーワンダーサイトでのワークショップなど、各地で後進の指導を行っている。

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