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テンポ・ルバートのこと

「ルバートするということ」

「テンポ・ルバート」は、「テンポが伸び縮みして」、と解釈されるものだと思います。

ショパンを弾いていると、彼の「左手はまさにカペルマイスター(指揮者or音楽監督)」という言葉を思い出すんです。
また、弟子には「左手は正確なテンポでコントロールして、右手は自由に歌うように」といったようなことを伝えてるんですね。


彼の作品を弾いてると、左手の和声が音楽の骨格を作り、あの美しい旋律を歌わせてくれるのかよくわかります。
ルバートしながら弾いていると、時々彼のいう「左手は指揮者」の意味を改めて考えちゃうんですよね。僕はずっと左手の和声がテンポの伸び縮みをコントロールし、右手がその上に乗っかって歌うように弾くと思ってたんですが、それだけじゃないのでは……って。

ルバートには、左手の拍節から「ずれて」しまって良いという意味もあるんじゃないかと感じるんです。

そこを意識して、往年のピアニストたちの演奏を聴くと、確かに左手のバスと旋律がずれている録音がありますよね。
決して目新しいことではありませんが、この「ずれて」いることが、最近は心地よく感じるようになってきました。

このショパンの録音でも、少しそんなところがあります。


プロフィール

Noritaka ITO

Author:Noritaka ITO
伊藤憲孝(ピアノ)
1978年生まれ。オランダ・アムステルダム、ドイツ・ベルリンで研鑽を積み、イタリアでの18th Citta di Valentino International Competitionで第1位、アメリカでのGolden Classical Music Awards International Competition第1位を受賞。日本国内主要都市をはじめ、アメリカ合衆国、ドイツ、オランダ、オーストリア、スロヴァキア、イタリア、セルビア、マレーシア、韓国など世界各国で演奏を行なっている。ローマではメディチ荘および在ローマ日本文化会館に招聘され「酒井健治ピアノ作品全曲演奏会」を行うなど、近年は同時代の作曲家の作品に積極的に取り組み、その演奏は、The New York Times(アメリカ合衆国)をはじめ、Die Neue Zeitschrift für Musik(ドイツ)、Rundfunk Berlin-Brandenburg(ドイツ)などで取り上げられている。スロヴァキア国立歌劇場管弦楽団をはじめ国内外のオーケストラとの共演。室内楽奏者として、NHK交響楽団、サイトウ・キネン・オーケストラ、名古屋フィルハーモニー交響楽団、大阪交響楽団、広島交響楽団、ブレーメン・フィルハーモニー管弦楽団、香港シンフォニエッタ、マレーシア国立交響楽団各奏者との共演など、活発に活動を行なっている。
 録音は、国内でディスク・クラシカよりCD <Beethoven, Activated>と<ベートーヴェン/リスト:交響曲第7番他>をリリース。ヨーロッパにおいては、ベルリンのKreuzberg Recordより世界初録音の4曲を収録したTrio kuのCDアルバムがリリースされている。
また、iNos Recordsよりインターネット配信限定となる<ムソルグスキー:展覧会の絵>、<ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番>がiTunes、AmazonMP3などを通して世界111ヶ国の国と地域にリリースされている。
 現在、福山平成大学准教授、エリザベト音楽大学大学院非常勤講師をつとめると同時に、マレーシアのSEGi College universityでのマスタークラス、トーキョーワンダーサイトでのワークショップなど、各地で後進の指導を行っている。

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