【解説付き♪】リスト:ヴェネチアとナポリ・ハイライトコンサート



リストの『ヴェネチアとナポリ』の、解説付きハイライト・コンサートをお届けします。少し長い曲だからこそ、特に素敵な部分を一緒に楽しみましょう。そして皆さんが、僕だけでなくいろいろな人の録音を聴いてみようと思ってくだされば、とっても嬉しいです。

大作曲家として大ピアニストとして知られてるフランツ・リストの作品が、 『ヴェネチアとナポリ』です。

タイトルから明らかなように、イタリアのヴェネチアとナポリでの印象や耳にした音楽をもとに、作曲されたピアノ曲です。巡礼の年第2年の補遺として位置づけられています。リストは、イタリアを旅し、大いに刺激を受けたようです。イタリアの文化・芸術はリストを魅了したようですね。


ベルリオーズに宛てた書簡に、「壮麗極まりない芸術が立ちあらわれ、私は目を見張る思いでした。(中略)ラファエロとミケランジェロを知ることで、私はモーツァルトとベートーヴェンをより深く理解できるようになりました」と書いています。

また、このイタリアの旅にはリストにとって重要な女性であるマリー・ダグー夫人を伴っていました。後年、マリーは作家となるのですが、きわめて教養のある女性で、きっとリストにとって大きな芸術的インスピレーションを与えた方だと思います。

『ヴェネチアとナポリ』は、1840年に初稿が完成しますが、1859年に現在のような形になって1861年に出版されました。

『ヴェネチアとナポリ』というタイトルを聴くと、2曲から構成されているような曲に思われますが、実は3曲からなっています。リストは3曲続けて演奏するように指示をしていますが、それぞれの曲の旋律には元となったものがあります。

リストがこのように他の作曲家の旋律を利用していたと聞くと、意外に思われる方も多いかもしれませんね。当時のリストは大ピアニストとして、華々しい演奏活動を行っていました。その際には、自身の技巧を盛り込むために、当時よく知られていた歌曲やオペラなどの作品をピアノ独奏にして弾いていました。そういった雰囲気がこの曲にも表れています。

それでいて、この作品が表面的ではなく、深い感動を与えてくれるのは、後年の標題音楽のような要素も併せ持っているからだと、僕は感じています。リストは、後年『交響詩』というジャンルを確立します。交響詩とは構成の自由なオーケストラの作品で、詩や絵画など音楽以外の芸術と、音楽とを結びつけようとしたジャンルです。

『ヴェネチアとナポリ』にもそういった物語性というか、音楽によって想起させられる世界観みたいなものを、僕は感じます。

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プロフィール

Noritaka ITO

Author:Noritaka ITO
伊藤憲孝(ピアノ)
1978年生まれ。オランダ・アムステルダム、ドイツ・ベルリンで研鑽を積み、イタリアでの18th Citta di Valentino International Competitionで第1位、アメリカでのGolden Classical Music Awards International Competition第1位を受賞。日本国内主要都市をはじめ、アメリカ合衆国、ドイツ、オランダ、オーストリア、スロヴァキア、イタリア、セルビア、マレーシア、韓国など世界各国で演奏を行なっている。ローマではメディチ荘および在ローマ日本文化会館に招聘され「酒井健治ピアノ作品全曲演奏会」を行うなど、近年は同時代の作曲家の作品に積極的に取り組み、その演奏は、The New York Times(アメリカ合衆国)をはじめ、Die Neue Zeitschrift für Musik(ドイツ)、Rundfunk Berlin-Brandenburg(ドイツ)などで取り上げられている。スロヴァキア国立歌劇場管弦楽団をはじめ国内外のオーケストラとの共演。室内楽奏者として、NHK交響楽団、サイトウ・キネン・オーケストラ、名古屋フィルハーモニー交響楽団、大阪交響楽団、広島交響楽団、ブレーメン・フィルハーモニー管弦楽団、香港シンフォニエッタ、マレーシア国立交響楽団各奏者との共演など、活発に活動を行なっている。
 録音は、国内でディスク・クラシカよりCD <Beethoven, Activated>と<ベートーヴェン/リスト:交響曲第7番他>をリリース。ヨーロッパにおいては、ベルリンのKreuzberg Recordより世界初録音の4曲を収録したTrio kuのCDアルバムがリリースされている。
また、iNos Recordsよりインターネット配信限定となる<ムソルグスキー:展覧会の絵>、<ブラームス:ピアノ・ソナタ第3番>がiTunes、AmazonMP3などを通して世界111ヶ国の国と地域にリリースされている。
 現在、福山平成大学准教授、エリザベト音楽大学大学院非常勤講師をつとめると同時に、マレーシアのSEGi College universityでのマスタークラス、トーキョーワンダーサイトでのワークショップなど、各地で後進の指導を行っている。

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